成城のまちで、多くの方々から大変かわいがられ、そして親しまれていた、3.11被災犬の「ゲンちゃん」が、去る2月23日午後6時10分家族全員に看取られながら亡くなりました。2011年9月24日に推定4歳として、福島県いわき市の東日本大震災被災犬保護センターから成城に引き取られて以来8年5か月、12歳5か月の大往生でした。ピレネー犬は、平均寿命8年とのことですので、とても長生きだったということです。
保護センター担当者は、超大型犬の上に、瓦礫の中を4か月も放浪していたことから当時致命傷と言われていたフィラリアを含む7つもの病気を持っていたので引き取り手がいなかったと話しておりました。
その引き取り面談と手続きをしている合間に、沿岸地域の津波による想像もできないほど悲惨な被災状況のお話しをお聞きし、「成城は災害にあった時、大丈夫だろうか?」との疑問が生じ調査したところ、成城独自の災害対策活動案を作らないといけないとの決断をいたしました。
翌2012年7月の自治会役員会にて今の災害対策活動マニュアルと災害対策プロジェクトチーム(災対PT)の設立が承認され、2013年度から具体的に災害対策活動を開始いたしました。という関わりからゲンちゃんは成城地域災害対策活動の生みの親として皆様に取り上げていただきました。
成城に来てから、災対PTのみなさんはじめ成城のみなさんにとてもかわいがっていただきました。そのおかげで、はじめは歩くのもおぼつかずにワゴンに乗せて散歩しておりましたが、皆様ご存知のように2年半ののち全ての病は癒えて元気なピレネー犬になり、長く皆様方にかわいがられて、津波に会い苦労はしたものの、満足のいく一生であったのではないかと思っております。
皆様の大きな大きな優しさに感謝いたします。ありがとうございました。
ゲンちゃんは多くの人に見送られて、2月24日に火葬を行い天国へ旅立ちました。
ゲンちゃんを記録したもの
*自治会広報誌「砧」平成24年1月号「ボクの名前はゲン」その1
*同 平成24年9月号「ボクの名前はゲン」その2
*同 平成28年4月号「ボクの名前はゲン」その3「ゲンちゃんTVに出るの巻」
*同 平成29年3月号「ボクの名前はゲン」その4「ゲンちゃん絵本になるの巻」
*同 平成29年11月号「ボクの名前はゲン」その5「散歩のマナーの巻」
*同 平成31年3月号「ボクの名前はゲン」その6「ボクは怒っていますの巻」
*平成28年2月 TV番組「おじゃマップ」で被災犬ゲンちゃんが紹介される
*平成28年 東日本大震災を伝えるゲンちゃんの紙芝居がフランスでできる
*平成29年 紙芝居が絵本となり主に難民の子供たちに配られる
以 上
2020年2月
成城自治会会長 岩波桂三