はじめに

成城を眺めてみると、東西の銀杏並木、南北の桜並木をはじめ、各家々がみどりを意識した街並み景観を構築し、住宅地や商業地の調和のとれたまちになっていることにお気づきではないでしょうか?

成城は、まち創成されてから間もなく100年、成城を愛する人々の自治と共生を通じて、街並み景観の維持に努めてきました。2002年(平成14年)には、この伝統的街並み景観を維持すべく建築のルールを定めた成城憲章」(街づくり条例第44条に基づく世田谷区区民街づくり協定1号という紳士協定を定めました

このように、住民個々の維持への努力が、急速な都心回帰の波の中にあっても、成城が他のまちにはない価値や特徴を形成してきたといっても過言ではありません。

成城憲章は、建築基準法等諸法令に比べ求める要件が厳しくなっておりますが、憲章違反に対する禁止命令や罰則はありません。一方で、憲章を意識しない家づくりは、草創期以来引き継がれてきた成城らしさを台無しにしてしまうことにつながりかねないことも事実です。また、成城憲章を知らないままに家づくりをすすめ、周辺と調和がとれていないことに後で気づくというお話も耳にします

成城に家づくりをご検討されている施主の皆様は、まず、成城憲章をご一読いただき、憲章の精神とルールに則った家づくりをお願いいたします。ハウスビルダーや設計事務所の皆様とも成城憲章の目指すところの共有をお願いいたします。

ここでは、家を設計するまえに考慮いただきたい成城憲章のポイントを説明します。

おうち君

みどりのある家づくり

生け垣や樹木によるみどり包まれた家づくりをお願いします。目標としては、敷地の20%をめざしましょう。ただ、これには、屋上や壁面の緑化は含まれません。世田谷区は、みどりの基本条例を定めており、こちらのガイドブックが参考になります。

20%

近隣を配慮した家づくりをお願いします。たとえば、門扉や塀は、近隣に配慮し、高さは1.8m以上を超えないようにしてください。お互いのプライバシーとゆとりあるくらしを守るため、出窓、バルコニー、ベランダやドライエリア、地下構造もふくめて、隣地境界から1m以上離すようにしましょう。

成城の街並み景観を維持するため、道路に面した部分は、生け垣の積極的な利用をお願いしますが、塀を作る場合は、透過性・通気性のあるものを使用し、1.8m以上の高い塀はつくらないようにしましょう。建物と塀や門扉が一体化した建築の場合、道路境界線から1mを目安とした後退をおこなったうえで、道路境界との間の緑化を行いましょう。

国分寺崖線を守る

国分寺崖線は、成城みつ池の森のような里山や野川などの水資源のとなっています。崖線の湧水や野川、仙川の治水のためにも、敷地内に「雨水浸透」や「雨水貯留」設備の設置をお願いします。これらは、世田谷区の助成制度の活用もご検討ください。

また、水資源の保護、治水・防災の観点からも、傾斜地においては、地下室を建築しないようにしましょう。

浸透桝

最後に

成城憲章の内容について、堅苦しさを感じたり、一方であの家は守っていないぞとか、法の下に好きなものを作っていけないのかといったご意見はよくわかります。成城憲章は、成城のまちの伝統を守り、より良くしようという共通の思いをもつ様々な世代や背景の人たちが、何年も議論を重ね2002年(平成14年)に策定されました。そして、今の成城というブランドを創り上げる原動力になっています。成城憲章は、5年毎に、社会情勢の変化や皆様からのご意見に基づき、更新を進めております。どうかその思いを受け取めていただき「みどりとゆとりに包まれた公園のような環境をもつまち」を謳う成城の街づくりにご協力いただきたくお願いいたします。

ご意見・ご要望、その他、不明なことがございましたら、お気軽に自治会までご問い合わせください。

 

参考資料

世田谷区成城地区街づくりについてパンフレットのダウンロード(世田谷区のホームページ)